日々とアートのあいだに。

鹿毛病院の中を歩いていると、入り口に、廊下に、病室に、カフェにと、
ふと目にした先にはいつもアート作品があります。
病院の中でアート作品に触れると、気持ちが和らいだり、楽しい気持ちになったり、
自分と日々の関係に少しだけ余白が生まれるような気がします。
ここでは、鹿毛病院と縁のあるアート作品や人を取り上げながら、
「日々とアートの間にあること」をお届けしていきます。

REPORT 01

日常の表現者(1)

PICFAメンバー:加田有紀

ん??思わず目を凝らして、ぐぐっと作品に近づいてみる。
あ、桃だ。そして、桃、桃、桃、桃…。
大きな桃のなかに小さな桃がぎっしりと描かれている。
幾つもの桃が描かれているのだろう。
沢山の小さな桃は、すべて、黒いペンで輪郭がとられ、内側はピンクのグラデーションで、色鉛筆3本を使い分けながら丁寧に描かれている。

とにかく優しい絵だな、というのが第一印象だ。そして柔らかそう。
桃にも見えるがおしりのようにも見える。

作者は、PICFAメンバーの加田有紀さん。加田さんは最初にPICFAに入ってきたメンバー第一号。この7月でちょうど1年が経った。最近二十歳になったという加田さんは、作品の印象そのままの、小柄でふわふわと柔らかい雰囲気を持つ女性だ。絵を描くことが大好きで、毎日、9時過ぎには来て、作業机に向かっている。加田さんの作品には、桃のほかにも、りんごやバナナ、といったフルーツがモチーフに多く使われている。フルーツは大好きで、豆やとうもろこしは好きじゃないけど描いたといって作品をみせてくれた。ひとつのモチーフをキャンバスいっぱいに大きく描いて、その中に小さな対象を沢山描く。アーティスト加田有紀の創作スタイルは、すでに確立されている。


加田さんの机には、色鉛筆や画用紙といった画材と一緒にジャニーズのグッズが置かれていた。嵐の松潤が大好きだという。好きなところは?と聴くと、顔がかっこいいところ、と恥ずかしそうに教えてくれた。イケメンが好きと素直に認めるところが可愛らしい。以前、加田さんが5つの建物の絵を描いたとき、普段は、ひとしきり悩む絵の色を、その時はすんなりと決めていったという。不思議に思ったスタッフが尋ねると、「嵐の色!」と即答したというエピソードも。5つの建物の色を、嵐5人のメンバーに例えて描いた加田さん。大好きな松潤をイメージする色は紫なんだそう。嵐とアーティスト加田有紀のコラボレーション作品が生まれる日が、本当にくるかもしれない。

※PICFA(ピクファ)の活動については、REPORT 01 をご覧ください。